連載

第2回 第3項 国土地理院提供による座標変換プログラム「TKY2JGD」によらない座標変換

現在の位置の基準である日本測地系を「正確な整合性」をもったものにし、また、「国際的にも整合」をもったものに改める計画が「日本測地系2000(Japanese Geodetic Datum 2000):略称JGD2000」です。その実現座標が「測地成果2000」です。

この計画の実施の詳細について国土地理院は、次のように説明していました。


国家基準点の一・二・三等三角点約39000点については、国土地理院が最新処理した世界測地系の値を提供する。
四等三角点約62000点,公共基準点,及び地籍図根点などは、国土地理院が提供する座標変換プログラム「TKY2JGD」により世界測地系へ座標変換する。


しかし、6月号で述べましたように、地震による地殻変動地域、採炭などによる地盤変動地域及び火山活動による地殻変動地域などでは、基準点の整合が失われている場所も多くみられます。こうした地域では上述の「TKY2JGD」プログラムが使用できない可能性があります。
昨年11月国土地理院は、「TKY2JGD」プログラムの全国的な検証を基にして、各地域に適した座標変換を行うための「測地成果2000導入に伴う座標変換対応マニュアル(案)」(以下「マニュアル案」)を定めました。つまり、地震や火山の地殻変動などで国家基準点座標の整合性が良くない地域においては、「TKY2JGD」によらない別な座標変換方法を定めました。  

02-03-1

有珠山の火山活動 (建設省HPより)

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