連載

第6回 第5項 GPS測量は日本測地系で処理する

電子基準点を使ったGPS測量で、電子基準点座標であるITRFを日本測地系座標にみたてて「TKY2WGS」座標変換プログラムを使って、座標変換を行い基線解析を行いました。GPS測量なら何が何でも「ダブルジーエスハチジュウヨン」を使わなければ気が済まない例です。学者先生のなかにも一部混乱している例があると聞いています。

よくみかける誤りは、先にのべました「TKY2WGS」を使って正確なWGS84座標を得たものと勘違いしている例です。
誤解の生じた理由は、測量士の試験問題やその解説などに一つの原因があります。例えば、”GPS測量では、GPS固有の座標をもつWGS84系から日本測地系への座標変換が必要である“(1992年度測量士No1D問題解説)と解説しています。こうした記述はしばしば見かけます。公共測量作業規程では、WGS84座標系から日本測地系への座標変換は定められていません。その必要がないからです。

06-05-1


図は、公共測量作業規程に定められた既知点座標から未知点座標を求める方法です。既知点の日本測地系座標に基線解析結果から得られた基線ベクトルを座標変換せずにそのまま加えて、未知点の座標を求めます。未知点の高さは日本測地系における楕円体高が計算されるので、そこのジオイド高を引いて標高とします。

 

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