地図品質検査・評価ツール Indigo-i

Indigo-i 開発の背景

 

地理情報システム(GIS)は、1970年代から使われはじめ、国土数値情報の整備・公開、都市計画GISの開発が行われてきました。
GISを整備するためには、となる空間データの作成が必要ですが、従来のデータ作成が公共測量作業規程に基づく作成仕様 = “プロセス規定” であったのに対し、空間データの作成は、出来上がりの品質に対する要求仕様 = “プロダクト規定” で作業をすることになります。
この要求品質がクリアできているかを確認するための品質検査が必要となります。

Indigo-iは、国土地理院が策定した「地理情報標準第2版(JSGI2.0)品質評価手順工程フロー」に準拠し、空間データの適正な品質を自動的に判別する品質検査ツールです。

品質検査ツールの特長

これまでの空間データ品質は、人手による検査が主流であったため、検査に時間がかかる上、検査結果には人的要因・時間的要因・価格要因等によって検査結果にバラツキが出ていました。

品質検査ツールを利用することにより、エラー箇所を自動で間違いなく発見することができ、
 ① 人的要因によるミスの削減
 ② 作業工程の短縮
 ③ 安価で安定した高品質データの提供
が実現できるようになります。

品質検査ツールの特長

本システムの基本となる品質要素・副要素は地理情報標準に準拠しています。

 

完全性
対象物の論理的な規則性を検査
論理一貫性
対象物の論理的な規則性を検査
※ファイルの構成の正しさ、図化した際の交差状況等の位相に関する検査等を行います。
位置正確度
絶対的な位置、元資料との位置関係及び高さの正確性を検査
主題正確度
分類の正確さ、属性の値の正確さを検査

 

検査の流れ

①[論理一貫性](位相一貫性を除く)

シェープファイルまたはDMファイルを読み込むと、論理一貫性(位相一貫性を除く)を自動で検査し、その結果を表示します。

 

② [論理一貫性]-[位相一貫性]

自動で検査後、目視でエラーを確認します。

※位相一貫性の検査には、「図面情報の品質評価方法(特許第4950313号)」の特許技術に基づく、弊社独自の検査法を使用しています。

 

③ ④ [位置正確度]-[絶対位置正確度]

現地測量 :

GPS計測点と道路縁地物データの絶対位置較差を自動で 検査します。

DEM検査 :

DEMデータを基に作成された等高線等の地物データと、DEMデータの比較を自動で検査します。
(シェープファイル時のみ対応)

目視検査は自動でサンプリングされたデータに対して行います。

 

⑤ [完全性]-[過剰]

⑥ [完全性]-[漏れ]

原典資料となる画像データを背景に、地物データとの重なり状況を目視で比較して、過剰、漏れがあるかを判断します。

 

⑦ [位置正確度]-[絶対位置正確度]

元資料比較:
元資料となるオルソ画像がある場合、地物データを重ね合わせて、本来あるべき位置に、データがあるかを目視で確認します。

 

 

⑧ [主題正確度]

地物のデータとしての分類や属性が正しく登録されているかどうかで、正確度を判定します。

※背景画像の状態により、サンプルリングされたもので判断しにくい場合、再サンプリングを行う機能も含まれています。

 

 

⑨ 検査結果表示→出力

エラー箇所やエラー要因をCSVファイルに保存することで、情報の共有と利用者の利便性を向上します。