連載

第1回 第7項 日本列島の400mのずれ

船舶や航空機の航行の安全に欠かせないのが空港・港湾やそれら航路の位置です。明治時代に天文測量によって決められた日本の世界地図上の位置は、実際より約400m南東に印されています。つまり、正確な世界標準の位置から約400mもずれているのです。このように、日本国内だけに通用する位置の基準は「日本測地系」と呼ばれています。
アメリカやヨーロッパなど外国から来る船舶や航空機は、日本測地系で示された位置を日本付近でいちいち約400mの位置の修正を行わなければなりません。 

01-07-1青:世界測地系           緑:日本測地系


そこで国際的な取り決めにより、現在、船舶や航空機の航行に使用する座標は、世界共通の位置基準である「世界測地系」が使われています。
そのため、先進国はもとより多くの国々で、世界測地系が採用されてきています。したがいまして、日本でもこれからの全ての公共的事業は世界測地系で行われるとになります。世界がどんどん狭くなる時代で、我が国の空港や港は「日本測地系座標」でよろしい、と言うわけにはいかないと思います。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on LinkedInEmail this to someonePrint this page

目次へ戻る