連載

第2回 第4項 国土地理院提供による座標変換プログラム「TKY2JGD」

国や地方自治体などが管理する基準点や図面などは、新測量法の制定とともに、世界測地系に座標変換しなければなりません。「TKY2JGD」座標変換プログラムにより、機械的に座標変換が行われれば簡単な事業になります。実際はそんな単純なものではなく、測量屋さんの出番があるのです。ビジネス機会が存在するということです。
まず、「TKY2JGD」座標変換プログラムの内容を考察してみましょう。これまでに、国土地理院が説明会や学会などで報告してきた内容をまとめてみます。

「TKY2JGD」の内容


図に示すように新旧座標差から、内挿により未知点の座標変換を行います。


02-04-1
既知点は、全国約39000点の一・二・三等三角点です。旧座標は現在使われているものです。新座標は、最新のGPS観測値などを使って再計算したものですが、約8割の三角点が明治時代を中心とした三角測量データです。
測地成果2000の目的が、整合性の良い国家基準点をつくることにあります。しかし、「TKY2JGD」の要素となっている座標は、整合性を改めるべき現行国家基準点座標です。こうした根本的矛盾を内包した「TKY2JGD」をたよりにして、整合性のよい新しい基準点座標を得ることは、かなり難しい技術が要求されます。

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