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第5回 第5項 楕円体面から平面への補正

以上述べてきました内容は、地表の距離の測定値または面積を基準面のそれに引き直す計算です。現行の基準面は「平均海面」であり、測地成果2000の基準点面は「準拠楕円体面」です。小範囲であれば、この距離や面積は平面上のものとして扱えます。

 

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楕円体を平面で近似するには、楕円体面を細切れの小地域に分割することによって、歪みを小さくすることができます。楕円体面上の距離と平面上の距離の差を1万分の1以内のおさめるために、日本列島を19分割しました。上図の各座標系の中央に座標原点をつくった19平面直角座標系が、公共測量において採用されています。

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19分割された各座標系の原点において、楕円体面上の距離Sと平面上の距離sの比である縮尺係数は、m0=0.9999に定められています。東西方向に90km離れた縮尺係数はm=1.0000で、東西方向に130km離れた縮尺係数は1.0001となっています。
地表での距離の測定値は、「傾斜の補正」「標高による基準面への補正」「楕円体面から平面への補正」という3つの補正により、平面座標の距離へ変換されます。

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