連載

第9回 第1項 建設省公共測量作業規定の改定

測地成果2000の公布・施行にともなって、現行の公共測量作業規程は改定されなければなりません。国土地理院はその改定の準備作業を進めています。昨年暮れに「公共測量作業規程改定検討委員会」が開かれました。

事務局は、建設省、国土地理院、(社)日本測量協会で委員の構成は、次の機関の代表者です。

  • 大学
  • 総理府・運輸省・建設省
  • (財)測量調査技術協会
  • (社)全国測量設計業協会連合会
  • (社)日本測量協会
  • 日本測量機器工業会


改定を予定している主なところは、次のようなものです。

  1. 楕円体の幾何定数:ベッセル楕円体から測地基準系1980(GRS80)へ変更
  2. 基準面:TSによる距離計算はジオイド面から楕円体面へ変更
  3. GPS測量の基線解析に使う初期座標:従来のWGS84座標から、緯度・経度は成果表座標、楕円体高は標高とジオイド高の和へ、と変更
  4. 電子基準点:既知点として電子基準点の使用が可能
  5. 正標高:1級水準測量においては楕円補正から正標高補正へ変更
  6. 3次元網平均におけるGPS観測値の重量:固定値(0.007m)2から水平方向(0.004m)2及び垂直方向(0.007m)2へ変更
  7. 連続処理:日本測量協会の審査が不要、と変更

09-01-1


上記改定内容の詳細を知りたい方は、筆者等による教科書「測量計算」をご参照下さい。
今回の最大の変更は、電子基準点が既知点として使えるようになったことです。電子基準点の公共測量への利用は画期的なことで、今後の測量技術の利用を飛躍させられる体制ができたとも言えます。
改定の内容を簡単に見ていきましょう。

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