連載
第8回 第1項 最近の測量業界の実態
2001年01月15日
図は建設省建設経済局が公表している「測量業50社の契約金額」を年度別割合で表したものです。契約金額は、1995年度をピークに1999年度は約3/4に減少しています。特徴は、民間の仕事量の減少が全体の仕事量を減らしていることです。測量業界の精神的苦痛の実感としては、この統計以上の苦しさです。
こうした市場の状況から業者間の受注競争が激化して、ダンピング的受注も増えてきております。つまり、受注単価が低くなったので、受注金額に対して仕事量が増えてきました。「仕事があっても儲からない」ということです。また、公正取引委員会も目を光らせております。一昨年と昨年には、千葉県の業者と北海道の業者が談合による排除勧告を受けました。
公共事業をめぐる環境は一段と厳しくなってきています。しかし、極く僅かですが、企業努力によって測地成果2000に関する仕事の受注をした業者も複数見られます。従来型の仕事が確実に減少する環境で、測地成果2000に限らず新しい事業の創出が求められてきていますし、筆者にもその努力が見えてきております。
そうした状況下にあって、最近測量業界の各方面で、国土調査に伴う地籍測量が関心を集めています。それというのも日本の地籍測量が極めて遅れているからで、業界関係者は測量事業の創出の焦点を地籍測量にあててきているように見えます。