連載

第9回 第3項 基準面

本講座第5回でも述べた内容のものです。これまで水平位置の基準面は「ジオイド面」でした。測地成果2000における水平位置の基準面は「準拠楕円体面」になります。

 

09-03-1


測量で使う本来の基準面は準拠楕円体なのです。昔はジオイド高が正確に分かりませんでしたので、水準測量などで求めたジオイド面からの高さである標高が、基準面への化成に使われました。つまり、これまでは略式処理がなされていたわけです。測地成果2000では本来の姿である正規の処理がなされることになります。
日本における準拠楕円体面とジオイド面の距離は、30~40mです。図に示すように準拠楕円体(GRS80)面の方が、ジオイド面より30~40m地球中心に近くなります。だから、新しい基準面の距離は、古い基準面の距離より短くなります。その量は、1kmで5mm程度(5ppm)です。面積では1km2当たり10m2狭くなります。日本全体の面積に換算すると、面積が120万坪減少することになります。下式によります。


日本の面積 380,000km2×10m2÷3.3坪=1152,000坪


これまで基準面への距離の化成は、標高Hで行われていましたが、測地成果2000ではジオイド高Nを求め、h=H+Nがその化成に使われます。間違いのないように注意したいものです。

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