連載

第3回 第3項 GISと測地成果2000

GISの本質は、地物などが正確な位置座標と結びついていることです。それぞれの地物は、個別のレイヤに数値化され、複数のレイヤを重ね合わせて解析できます。例えば、道路と下水道の関係から、下水道やマンホールの位置が道路上から把握でき、下水道の敏速な修理などに役立ちます。もし、道路局と下水道局が、別個の測量を行い位置に食い違いがあれば、相互の正確な位置関係は正確に把握できません。

紙地図であれば、少々の測量誤差は食い違いとなって現れませんが、数値化されたデータでは測量誤差がそのまま現れてしまいます。
国際的に空間データを相互利用する場合、それらに関する国際的な標準化が必要になります。このことにより世界中の多様な空間データを同じ手続きで扱うことができます。21世紀におけるGISの利用の上からも世界測地系座標に基づいた空間データでなければならないと思います。

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こうしたGISを骨格とした情報通信社会において、行政の住民サービスなどが飛躍的に豊かなものになると期待できます。従来の地図は電子情報として伝達でき、また、住所と関連づけられています。行政への提出書類も住所を示せば、自動的に地図が添付されたことになり、紙地図の提出は不必要になります。或いは、宅配便のナビと住所を関連づければ、お客さんから住所を聞けばカーナビで間違いなく配達できます。
測地成果2000により位置が正確に決められていれば、建設CALS/ECとGISの結合が可能になり、地方自治体の住民サービスなどが質的に向上するものと期待できます。そのはしりは、前述の豊中市の例にみられます。

 

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