連載

第9回 第4項 GPS測量の基線解析に使う初期座標

現行公共測量におけるGPS測量の基線解析では、WGS84座標が使われています。そんなこともあってか、GPS測量ではWGS84座標系が一対のものと勘違いされてきています。一方、基準点座標は日本測地系座標を使うので、座標の使い方に混乱が生じています。本講座第6回で、WGS84に関する混乱の様子を述べました。要するに、WGS84座標は、公共測量における基線解析の初期値として限定的に使われているもので、測地成果2000から消えてなくなるものです。

測地成果2000ではITRF94座標が使われます。WGS84より正確な座標ですから、緯度と経度は成果表の座標をそのまま使えばよいことになります。基線解析の座標及び基準点座標が同じものなので、座標系に関する取り扱いの混乱は解消されます。ただし、基線解析に使う高さは楕円体高なので、成果表に記述された標高にジオイド高を加えなければなりません。

09-04-1


図のPQはGPS測量から求めた基線ベクトルです。3次元直交座標(X,Y,Z)が緯度φ・経度λ・楕円体高hに変換されます。

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